盛岡白百合学園中学高等学校

お知らせ

ホームお知らせ

今週の聖句

2021.02.15

今週の聖句 2.15-19

愛を身につけなさい。愛はすべてを完成させるきずなである。

Put on love, which binds everything together in perfect unity.

(コロサイの信徒への手紙3章14節)

 

 アメリカの推理小説家レイモンド・チャンドラーの代表作「プレイバック」の中に、有名なセリフがあります。私が初めてこのセリフを知ったのは大学生の頃、よく読んでいた村上春樹さんのエッセイに引用されていたからのように覚えています。当時の私はそろそろ卒業後のことも考えなければならない時期でしたが、自分は社会で武器になるようなものが何もないことに悩んでいました。バブル経済はすでに陰りを見せ始めていたとはいえ、若者を取り巻く状況はまだ明るさと華やぎに満ち、誰もが何かしらの強さを誇り、自信にあふれているように見えることが、そうでない自分にとって辛かった頃でした。そのようなときに出会った、次のような言葉です。「強くなければ生きていけない。優しくなければ生きている資格がない。」

 「私のように強くない者にとって、生きていくのはやはり大変なことなんだ。でも人への優しさを失わずにいることは、強くあること以上に大切だということかしら。それならば、私にも活かされる場所はあるのかもしれない」と考え、今思えばこれもかなり身勝手な解釈とも言えますが、当時は大いに慰められたものでした。それ以来、今より強くなれてもなれなくても、人や物や出来事にいつも優しい気持ちを持とう、というのが私の目標になりました。

 さて、「愛はすべてを完成させる」という今週の聖句は、言い換えれば「愛がなければ何も完成しない、すなわち到達できるものはない」ということ、また「愛の代わりになるものはない」ということです。

 これと似たことを、聖パウロは別の教会の信徒へ宛てた手紙の中でも言っています。固い信仰を持つことを勧める宣教のための手紙でありながら、「どれほど完全な信仰を持っていようとも、愛がなければ無に等しい」と、愛は信仰さえも上回るものであることを強調しています。

 強さや賢さ、さまざまな能力や人徳を持つことは、生きる上で有利になるでしょう。ですが、人が人として生きる目的とは、そのような力や個性を発揮することそのものではなく、平和な社会としてのより高い完成度を目指して、人と人とが互いに補い合うことです。そのために必要な動機が愛、すなわちすべてのものを大切に思う気持ちだという点で、聖書と、現代推理小説の生み出した名言には近いものがあるといえるでしょう。

 私たちは誰でも、生きる資格を与えられたから生まれてきました。ですから心の「愛」や優しさに格差などありません。それぞれが持っている「愛」を出し惜しみせずにいたいものです。

 

 祈りの意向

2.15(月)土曜日の夜、東北から関東にわたる地域で大きな地震がありました。不測の事態への備えと、万が一のときに冷静で賢明な行動をとるための知恵を持てますように。

2.16(火)全国的に、コロナ・ウィルスの感染者は減少しつつあるようです。国内でのワクチン接種も近日中に行われる見通しの中で、一日も早く事態が収束に向かいますように。

2.17(水)天候や気温の変化が大きく、体調に影響を受けやすいときです。様々なことに最善の状態で取り組むためにも、自己管理をしっかりできますように。

2.18(木)The school year is almost finished. May we reflect upon the year and what we have learned and build upon it next year.

2.19(金)社会状況がもたらす困難の中で、苦しむ人に安らぎが与えられ、心の叫びに気づく人々とのつながりが支えとなりますように。