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News Release

2015.07.24

安らかにお眠りを

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先生!ルルドにシカが。それも何だか変なんです。病気なのか怪我なのか、様子がおかしくて。
課外授業の1コマ目が終わって2コマ目、数学の授業が始まって間もなくという時間に高校二年生の2人が職員室に走り込んできました。気のやさしい生徒たちです、日本鹿でもそうしたでしょうが、もしかしたら天然記念物のニホンカモシカかもしれない。そうなれば捕獲保護してあげなければならないかもと、その場にいた先生ともども考えて、それで対応を求めてやってきたのでした。
なるほど、ルルドの丘で、そのシカは半径1メートルほどの円を描くように、ぐるぐる回っているばかりです。駆けつけた筆者は、この暑さに熱射病にでもかかったかと素人判断したのでしたが、まずは保健所だと急ぎ電話をしたのでした。ところが、日本鹿なら保健所、しかしもしニホンカモシカなら管轄は教育委員会になると教えられました。ではどうすれば。
体毛が黒っぽいのと短い角があるようだと伝えると、二ホンカモシカの可能性大とのこと。さっそく市の教育委員会、歴史文化課に電話は回されていきました。
忙しい中を飛んできてくださった職員の方が見えた時には、先ほどの場所からちょうど反対側の茂みにそのシカは横たわっていました。
・・・たしかにニホンカモシカです。それとご覧のとおり病気です。目から鼻から口から。お分りでしょう、皮膚病に罹っています。ここまで来るともう・・・。沈痛な面持ちでその職員の方は話されたのでした。
聞けば、パラポックスウィルス感染症というもので、口にできた炎症で最後は食べることもできなくなって死に至るという説明をされました。
心配する生徒たちも、これを知らない生徒たちも、不意に近づいて刺激してはならないと、全校に放送を入れたのはお昼を過ぎたころでした。
夕方、あらためて市の職員の方が3名おいでになり、いよいよ捕獲となりました。思いのほか元気でしたが、目測誤って岩面を滑り落ちたところを捕獲しました。あちこちとぶつけたのでしょう、顔面は血だらけでした。ネットでくるまれ、足を縛られ、荒い息をしながらも、なすがままにしているシカがそこにありました。
車に乗せられたシカは、その後遠くの山奥深くに放たれるということでしたが、せめて大地のぬくもり感じを感じ、小鳥たちのさえずりにこころあたためられながら、安らかな最期を迎えてほしいと願わずにはいられませんでした。

その後です。前日の夕方に、ルルドに祈りをささげに行ったマスールを1頭のシカが微塵と動かずに見つめていたという話を、その後に聞くことになりました。毛の色や大きさなど、間違いなく、同じシカだったと思います。
はたして、命の最期を分かっていたのでしょうか。そして広いキャンパスの、何ゆえにわざわざルルドの丘を選んだのでしょうか。ルルドの、マリア様のご像の前で長らく佇み、そしてご像の正面で弧を描いて回り、その草むらの陰で人知れず身を横たえていたということ。
信じて、祈って、感謝して、そのシカはそこを最期の場所と思っていたのかもしれない。
人も獣も草も木も、みなその尊い命を生きている。そして、最期は神のみもとに帰らんとする。
シカの安らかな眠りをと祈りました。

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